林業は山林を職場にし循環資源である木材を生産するだけでなく、適切な作業を行うことにより国土の保全や水源のかん養、ひいては地球温暖化の防止など様々な公益的機能を引き出すことができます。

天草市の山林について

天草市の森林面積は約45,000haで総面積の67%を占め、そのうち人工林が44%、天然林・その他が66%となっています。天草地域の人工林は成長が遅いと言われており、年輪の間隔が狭く質の良い木材として知られています。
また天然林については、雑節の燻製加工用に使われるチップ材や薪材、木炭の素材として使用され、重要な森林資源となっています。

林業の仕事について

林業は「木を切る仕事」というイメージがありますが、その他にも様々な作業があります。苗木をただ植えるだけでは成長しませんし、成長したとしても良質な木材として使用することはできません。森林も農作物と同じように、人が手を加えることによって良質な木材を作ることができます。林業とは木の成長に関すること全てが仕事の対象となります。

林業における主な仕事内容(人工林の場合)

主伐

主伐

樹木が成長し資材として利用できるようになった立木を伐採。適当な長さに切る玉切りなどを行います。

集材

集材

伐採した木を林道や土場など、市場などに運搬するために便利な場所に集める作業です。

地拵え

地拵え

伐採を行った土地に再度植え付けを行うため、枝葉や残木を取除いて整地を行います。

植栽

植栽

新たな苗木を一定間隔で植える作業です。

下刈

下刈り

植栽を行った苗木周辺の雑草木を取り除き、苗木に十分な日光が当たるようにします。一般的に植栽後数年間行う作業です。

除伐

除伐

育成したい樹種の成長を妨げる他の樹種を採る作業です。下刈り終了後数回行います。

枝打

枝打ち

節のない良質な木材にするため、下枝を切り落とす作業です。病虫害などを防止し林内を明るくします。

間伐

間伐

樹木の混み具合に応じて一部の木を伐採し、成長促進と林内の光環境改善、森林の荒廃を防ぐ重要な作業です。

製材2

製材

原木を引き切って角材や板材、割材などを生産します。

林業に就くにあたり

林業とは自然を相手にする職業です。作業中の事故なども多く、危険な業種であるとも言われています。また天候などに左右されやすく、経営を安定させるためには技術や経験、さらには周囲の理解やサポートが不可欠となります。このようなことから就業前に確かな技術を身につけ、就業した後は明確な経営理念のもと業務を行えるようにしましょう。